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シノザキの日記です。 日常及び漫画・ラーメン・MTGなど 





屋根浦賀
福島の事件がやヴぁい。犯人(と思しき人物)の
「いままでボクの戯言におつきあいくださりありがとうございました」
というコメントが西尾維新の弊害。

大江健三郎の講演会が安田講堂であったので、聞きにいってきました。
あまり期待はしていませんでしたが、70歳をこえた大江は好々爺的な穏やかさを漂わせ、語り口も平易でギャグもはさみつつの聞きやすい講演でした。
テーマは「知識人になるためには」とかいう恥ずかしいものだったのですが、大江が若いころから知識人という存在を志したこと、また渡辺一夫・武満徹・サイードらとの交流と彼らの言葉を紹介しながら、自身の来歴について、また知識人とはどういう存在かを語るものでした。
僕は大江健三郎の熱心な読者ではないし、彼が若いころの傑作をこえる評価を近年得られていないこと、小説家ではなく戦後民主主義者としての大江には様々な批判があることも理解していますが、それでも彼ぐらいの人物になるとその謦咳に接するだけでも意義がありますね。この人物が、あの「万延元年のフットボール」を書いたのだという思いがやはりあったし、講演で
「その年に僕は『空の怪物アグイー』という本を書いて、次に『個人的な体験』というのを書いて、そのまた次に『万延元年のフットボール』を書いたのです」
と話すのを聞いて、その3冊それぞれを読んだ時のことが思い出されたりしました。
また、
「言葉を超えた力を小説に宿らせる文学の力、それを僕は信じています」
「私のようなちっぽけな個人がいろいろいじくり回してつくっているうちに、なにか言い難き嘆きが、高いところに通じることがあります」
「僕は人間を信頼しています。近い将来、核兵器の問題・沖縄の基地の問題は解決すると信じています。理由はありません」
といった彼の言葉からも、自分がいまそうした信頼を抱きうるかとは別に、もっとも大切な勇気を得ることができました。

質疑応答では、東大の教師が何人か学部を代表して質問していました。それほど噛みあった応酬にはなりませんでしたが、やはり世代的に、彼らが大江に対して抱いている畏敬や憧れについては感じとれました。

ちなみにネタ発言としては、義理の親戚(東大法学部卒官僚)に
「東大でも文学部はクズです」
といわれた話と、質疑応答での
「作家は書き直すということが決定的に重要です。書き直すということをしないと、どれほど才能があっても、最後は都知事になって終わります」
という話がサイコウでしたね。

最近観た映画(レンタル)
「真昼の決闘」(フレッド・ジンネマン)
50年位前のモノクロ西部劇。西部劇というものに今まであまりにも無知だったのでいろいろ参考になった。
ヒロインのグレース・ケリーがものすごくかわいい。
あとDVDの特典映像(当時を振り返るメイキング)がとても便利でDVDの恩恵。

「パリ、テキサス」(ヴィム・ヴェンダース)
これは良かった。4年間失踪していた男の帰還、それを迎える弟夫婦と彼らが4年間育てていた男の息子、そして別々に失踪していた彼の妻。彼らの再会と関係性の変化が、完璧といっていい手つきで綴られている。個人的には終盤がややだるかったが、それでも素晴らしいロードムービー。空の美しさが印象に残る。

「時計じかけのオレンジ」(スタンリー・キューブリック)
かなり期待してみたけどそれほどでもなくて残念。このジャンルなら未来世紀ブラジルのほうが好きだなあ。過去の名作というのはだいたいどれもそうだけど、当時は衝撃的だったのかもしれないが今は…という部分があって、僕はこの作品にあまり新しい刺激を受けなかった。

「男たちの挽歌」(ジョン・ウー)
これも評判のよい作品。中韓の映画にときどきある、ホモソシャールな感じやすぐ激昂して大声で怒鳴るシーンはあまり好きになれない(別にそういうことが問題になる映画ではないけど)。内容的にはもっと二挺拳銃でがんがん撃ちまくってほしいなあとおもいました。

「ゴダールのマリア」(ジャン・リュック・ゴダール)
頭が悪いのでわかりませんでした。というか引っかかりなく淡々と終わってしまい、わからない部分がどこかもわからなかった。
あとモザイクがダサかった。今ではもう陰毛が見えてようがいまいが関係ないね。

けなしてる作品もあるけど、基本的に過去の有名な作品ばかりなので僕の期待が大きすぎる部分もあってどれも見所はあると思う。
あとやっぱり劇場で観るのに比べて相当面白さが落ちてしまう部分があって、今回借りた作品でも最後のほうは電気を消して携帯の電源を切って集中して観るようにしたけど、それでも劇場ほどの没入を得ることはできない。仕方がないことだけど作品に申し訳ない。

最近読んだ本
「ニューロマンサー」
死ぬほど読みにくいよ、といわれていたがそうでもなかった。「世界の中心で〜」とかのが読みにくかった。
この手の作品はすぐ古びるものだけど、その中で元祖サイバーパンクである「ニューロマンサー」のイメージの鮮烈さには驚いた。映画化せざるをえない。「攻殻機動隊」も「AKIRA」もインターネットもない時代にこれを読んだらどれほど面白かったのだろう。きっと脳が灼ける。

スタック
「視覚新論」(バークリ) ゼミ
「生きたことばをつかまえる」(ミルロイ) ゼミ
「イデオロギーの崇高な対象」(ジジェク)

他にも読んだ本とか観た映画はあるけどあとで書きます。ほんとに。
でも、先に言っておくとキディグレイドはウンコでした。

蓮實重彦の「表象の奈落」を人の家でぱらぱら読んだけど、流して読んだ限りでは相変わらず面白かった。何年か前に東大でやったシンポジウムで「こんどフィクション論出します」みたいなこといってたけど、これがその先駆けっぽい。長編批評もはやく読みたい。
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2007-05-22

  

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